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2004.08.14

人間教育実践交流会@京都ノートルダム女子大学の雑感

第19回 人間教育実践交流会「2004京都フォーラム」(8月12日、13日)に参加した。
1日目は加藤明氏、小森茂氏、有田和正氏、山口令司氏の講演があった。

はじめは加藤明氏の講演。
加藤氏の話を聞くのは野上小学校の講演に続いて2度目だ。やはり刺激的だった。
「結果としてどのような力をつけたのか、どのような育ちを実現できたのか、といった結果に責任をもつ指導」を行わなければならないという。プロセスがよくても結果がだめならだめなのだ。
で、その力が子どもたちについたとして「その力で本当に大丈夫なのですか?」と考えなければならないという。これは厳しい。
また学力テストなどでははっきりとあらわれないものについては、教師が「こんなにあなたの作文がなったのは、作文に対する力がついたということですね」と子どもに返すことが子どもの自覚につながることなので大事だという。

小森茂氏は「漢数字の部首」を例にして興味関心をひき、原理原則がわかり、さらに類推ができる授業のいったんを示された。基礎基本を教えるといっても一字一字の機械的な指導ではダメだという。
さらに言語記号がどういう言語内容を指しているのか教師は探っていかないといけない。でないと言霊主義に陥ってしまうという。
一例として「たぬきの糸車」の「紡ぐ」を挙げられた。
「紡ぐ」の意味をどのように教えればいいか。研究授業などで見られるように実際に糸車を回せばいいのか。それではだめだ。実際に糸を紡ぐのは左手でより、唇からの唾液も使うなど複雑な行為から成り立つ。そういう意味内容をとらえていないと将来「愛を紡ぐ」「夢を紡ぐ」などの比喩的な表現として使えるようにならない。またそう考えると1年生だけの指導では無理で発展的な学習が必要であるというのがわかるという。

有田和正氏はいつものようにユーモアあふれる講演だ。
出されるたとえもぎりぎりまで絞り込んでいるので印象的だ。例えば「基礎学力って何?ということがよく問題にされるけど、それは、教えても教えても、覚えないもの分からないものが基礎学力なんだ。逆に悪いことはすぐに覚えるものなんだ。だから基礎学力って何?と思ったらまず教えてみること。そうして子供が覚えないのが基礎学力だと考えればよい」というふうにである。
また、明石家さんまの対応術を教師はもっと見習うべきだという。彼はゲストがつまらない話をしても大げさに反応して場を盛り上げる。表情もそう。先生の笑顔見るために学校にくるんだと言うようにしなきゃだめ。表情も技術だという。

山口令司氏はかなり以前『初等理科教育』誌を購読していた頃にお顔だけ存じていた。熱い語り口調だ。演題は「学ぶ意欲の掘り起こしを、如何にして進めるか」だ。
学ぶ意欲を掘り起こすためには「場」はもちろん大事だ。それ以上に印象に残ったのは、教師の言葉かけが大事だということだ。例えば植物の成長ぶりをとらえたある子の言葉をとらえて「これだけ伸びた!というのがあちこちにあるよ」と他の子に語る。例えば「君たちが作ったてんびんでも、ある場所とある場所に注意すると髪の毛でも測れるようになる」と言う。例えば「淵には河童がいると言われてね~」など。→この言葉が流れの速さや複雑さに目を向けることになるのだろう。私も、予想を言わせているけど…。このような河童の話の方が子供の心にいつまでも残るだろう。

熱い思いの方々にふれることができた1日でした。

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